新型コロナウィルスの感染拡大により、様々な状況下で困難に直面している方々に、心よりお見舞い申し上げます。


段階的な緊急事態宣言の解除により、様々な経済活動が再開しつつありますが、依然として地域間の移動に関する指針が不透明であるとともに、新型コロナウィルスに対するリスク評価が流動的な状況が続いています。
また、登山をめぐる環境も、根拠が明確でない登山自粛論なども相まって、早くも山域ごと閉鎖するような動きがある一方、登山再開や各種施設の営業開始の動きも混在している状況です。
今後、新型コロナウィルスとの共存を前提とした、実践的な行動指針が社会のコンセンサスとして形成されていく中で、登山に関する具体的なガイドラインも醸成されるものと思われます。

ここでは現在検討中の事項についてお知らせします。

まず申し上げなければならないことは、前提として山小屋はいわゆるソーシャルディスタンス (三密の回避)を徹底しづらい環境であるということです。そのことを念頭に置き、私共としては慎重を期して対応策を打ち出していく所存です。

6月8日追記:
 現在、コロナ対策の検討に加え、物資輸送スケジュールの調整が難航し、山小屋の運営基盤ともいえる電気・ガス等のインフラ面を万全に整えられるか不透明な状況のため、営業方針・規模の具体化が遅れております。そのため、従来は6月中旬に営業方針をお知らせし、6月20日(土)予約受付再開を目指しておりましたが、延期させていただき、6月下旬に営業方針のお知らせ、7月1日(水)予約受付再開とさせていただきます。雲ノ平山荘の利用を楽しみにしてくださっている方には大変申し訳ありません。
 当山荘としては、営業開始に向けて鋭意努力しておりますので、今しばらくお待ちいただくよう、お願い申し上げます。

【宿泊営業・予約について】

一時的に新規予約受付を停止しております。
予約受付再開は7月1日(水)10時を予定しています。
これまでは1日30人に予約人数を限定して受け付けておりましたが、コロナ禍により地域間移動や団体行動等に関する指針が不透明な状況のため、このような措置をとらせていただきます。
6月下旬を目途に営業方針を策定し、当ホームページで告知します。
今後の対応は以下の通りです。

  • 事態が悪化し、宿泊営業をより制限ないし見合わせる場合は、すでにご予約いただいている皆様全員に連絡した上で、決定した内容をホームページに告知いたします。
  • 事態が改善した場合には予約要件を緩和し、詳細をホームページで告知します。
  • 宿泊営業を行う場合、客室については、極力ソーシャルディスタンスを確保できるよう寝具の間隔を開けること、グループごとに部屋を分ける等の配慮をします。

※7月10日~10月15日と発表している営業期間も、状況に応じて変更する可能性があります。

  • 感染拡大を予防するため、以下のものを持参していただくようお願いする場合があります。
  • -寝袋もしくはインナーシュラフ(当山荘で用意する布団類と接しないようにするため)
  • -枕を代用するもの(例えば衣類を詰めたスタッフバッグなど)
  • -携帯用の消毒グッズ(当山荘にも消毒液は設置しますが、用意できる量に限りがあるため)
  • -マスク(小屋内で必要に応じて使用)

【食事について】

営業時の状況に応じた対応が求められることですので、まだ決定している事項はありません。ただし、今回の新型コロナウィルスの流行が夏までに完全に収束する可能性は極めて低いとみられるため、以下のような段階的な対応策を検討しています。

  • 40名程度の完全予約制に近い形で営業する場合:極力ソーシャルディスタンスを確保できるよう食堂の座席間隔を離し、人口密集状態を作らないようにし、食堂への入場者数を制限する。喫茶メニュー・夕食朝食共に、宿泊者のみ利用可。
  • さらに人数を絞り (20名程度)、完全予約制で営業する場合:上記の対応に加え、営業規模に応じてスタッフの人数も削減する可能性があるため、喫茶メニューの縮小や喫茶営業時間の短縮などを検討します。
  • キャンプ場のみの営業の場合:山荘の食堂、トイレの利用は原則できません。

なお、全ての営業を見合わせる場合:山荘の全ての施設及びキャンプ場は利用できません。

【宿泊営業時の小屋内の衛生環境の管理について】

  • 各種消毒液を調達し、設置する。
  • 小屋内の定期的な消毒を行う。
  • スタッフのマスクの着用の徹底。
  • 発熱等の症状がある登山者やスタッフの隔離、
    及び県警察、防災、保健所と連携した上での対応策の作成。

【キャンプ場について】

雲ノ平山荘のキャンプ場を予約制にすることを検討しています。決定次第、当ホームページで告知します。

山荘の宿泊営業を縮小、或いは休止し、キャンプ場は通常通り営業した場合、キャンプ場に登山者が過度に集中することが懸念されます。現状の国立公園制度においては入山制限やキャンプ場の利用制限などをする仕組みや権限が存在していないため、対策を講じなければ予期せぬ混乱が生じないとも限りません。

このことについては別項の「コロナ禍における山登りの注意点」に詳しく記しますが、遭難救助体制や登山道の維持管理体制など、これまで山小屋が主に担ってきた公益的な機能の縮小に伴い、登山環境に様々な問題が生じる可能性があります。

現在、本格的な登山シーズンに向けて、上記の事柄につき関係主体が協議を進めています。このことも事態の推移次第で、地域ごとに状況や判断が異なる可能性もあります。登山者の皆さんは是非各種情報を確認した上での慎重な行動を心がけてください。

以上