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雲ノ平山荘

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【shibiさんの仕事】

グラフィックデザイナーとしての活動を経て、ロンドン、ニュージーランドなどを渡り歩いた後、山が彼女の居場所になった。
shibiさんの描いた絵を初めて目にした時、僕は良質なアンビエントロックを聴いているかような、心地よい浮遊感と、ある種のリアリティーを感じた。
ポップな色彩とリズミカルな筆致の画中に戯れる不可思議なキャラクターたち。単純化された水色の曲線から清流の音が聞こえてくるような感覚…。
Shibiさんの絵は白昼夢のようだ。描かれているのは、彼女が自分の精神をもってして確かめ得た、普遍的な生命の景色である。
shibiさんの描く世界に接するとき、僕たちが普段漫然と景色を眺める以上に、目の前に自然・生命が息づいていること、大小様々な形の葉っぱが日差しに輝き、岩が岩として存在し、空を鳥が羽ばたき、彼女がその景色の中に佇んでいることを実感を伴ってイメージさせられる。そして「もとから世界は目に見えない出来事の集合体」であって、それを伝えることこそが、芸術表現の醍醐味だということを思い出させてくれる。
雲ノ平で描いた「雲ノ平山荘」はshibiさんが出会った、夏の終わりの一瞬の光景である。
淡々と日々を歩むshibiさんの内面には、めくるめく変化に満ちた世界が広がっていて、彼女はどこまでも自由に、旅を続ける。

(文:伊藤二朗 撮影、編集:赤錆健二)

Artwork

雲ノ平山荘

黒部源流

竜晶池

祖母岳

テラスからのスケッチ

海をゆく

中国上海生まれ。東京九段下で育つ。小学生になり横浜へ。
物心つくまでは頻繁に親と中国へ行っていました。
中国と日本との間で自分が何者なのかわからないまま育ってました。
作品作りは自分が何者かを知る手段でもあるように思えます。
登山と出会う30代まで、何を描いて良いのかわからないまま、あてもなく作品に向かう日々が続いていました。
登山を始め、毎回の山行を絵に残すようになりました。
山に登り自然と向き合うことで、作品の対象がよりはっきりしていきます。
自然は私に、私が何者なのかヒントをくれたようです。