雲ノ平山荘

雲ノ平山荘
アーティスト・
イン・レジデンス
プログラム

Artist in Residence Program

at the Kumonodaira Mountain Hut

「雲ノ平山荘アーティスト・イン・レジデンス・
プログラム2025」
参加アーティスト決定

「雲ノ平山荘アーティスト・イン・レジデンス・プログラム2025」の参加アーティストが決定しました。

6年目となる今年は65人のアーティストからご応募をいただき、審査の結果、絵画、身体表現、写真、インスタレーション、建築など、多岐にわたる分野の6組7名のアーティストを選出いたしました。

本プログラムは、アートを通じて社会と自然環境の調和をデザインする試みであり、また、無垢の自然生態系に刺激されながらアーティストたちが新しい表現を探求する機会の創出を目的として、2020年春に始動しました。

この取り組みは一過性のインパクトや概念の喧伝に終始させず、雲ノ平という場所を基点として人と人、人と土地が持続的に接触を持つ中で醸成される関係性であり、その関係性から生まれる世界観にこそ真価があると考えています。

今年の5月から6月にかけて北杜市のGASBON METABOLISMで開催された本プログラムの成果展【Diffusion of Nature 2025 距離のゆらぎ】では、雲ノ平の記憶を内包する様々な分野の作品たちが互いに呼応し、表現の生態系ともいうべき情景を描き出す様を目撃することができました。

雲ノ平山荘では引き続き、アートの他にも自然科学、人文学、アウトドアなど、「自然」をめぐる多様な視点が出会い交錯することで、私たちが生きるこの世界について新しい視野を開いていく活動のあり方を模索して行きたいと思います。

環境危機や情報化の混乱に歯止めがきかなくなりつつある現代において、私たちの足元にある「自然」とどのような関係性を再構築できるのか、本プログラムが新しい発見をもたらす一助になれば幸いです。

  • 石川 朝日Asahi Ishikawa
    俳優。1995年生まれ。Dr.Holiday Laboratory

    歩くとはなにごとか。

    こっからあそこまでこの身体が繋いでいく。それは変身の、文字通りささやかな第一歩ではないか。もちろん私は巻き込まれる。この大地に、この天候に、この光に、この騒がしい静けさに。世界の側も、もちろん巻き込まれている。身体の温度に、身体の息遣いに、荒々しい、身体の横暴さに、この歩行に。私はあいだに潜み、息を止め、その無言の交流を余すことなく眺める、私は泥のようなものだったのか。変形した。変質した。秘密の変身は完了した。あとは他者を待つだけだ。-『雲ノ平』-アスファルトのない場所で、歩くとはなにごとか。そこで歩行してみる、もしかしたら新しい歩行が生まれるかもしれない。新たなそれは私になにを迫るのか。もっと迫ってこい。
  • 河合 正太郎Shotaro Kawai
    1992年 石川県生まれ
    2019年 京都市立芸術大学 美術大学院 修士課程 絵画領域 日本画細目 修了
    先史時代の洞窟や古代文明の遺跡に描かれた壁画は、自然と人工物、イメージと物質といった相反する領域のあいだを行き来する、いわば「中間の存在」といえる。私の絵画における仕事とは、このような現象を自らの手で作り出すことである。絵を描き進めながら、削る/ 剥がす/ 破る/ 擦る/ 洗うといった行為でダメージを与え、それらを修復しながらさらに描いていく。私のコントロールによって生じるイメージと、無作為のダメージの蓄積により生じるイメージが溶けて混ざり合うことで、絵画は「中間の存在」としてのリアリティを獲得していく。
  • Elisa Michelet
    東京を拠点に活動する、カリフォルニア出身のフランス系アメリカ人アーティスト。 デザイナーとしての経験をもとに、デジタルと自然のプロセスがどのように形と関わり合い、戯れ、ときにそれを壊すのかというテーマで作品を制作を行う。また、人とテクノロジー、人と自然との関係性にも強い関心を寄せている。 フィルム写真にも情熱を注ぎ、訪れた場所や風景を記録する。カリフォルニア州北部のシエラ山脈で育った経験から、作品には自然環境への深い愛着と、人間が作り出す人工的な環境への興味が色濃く反映されている。 UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)ではデザイン・メディア・アート専攻の学士号を取得し、映画・テレビを副専攻。英語とフランス語が堪能で、現在は日本語を勉強中。
  • 石井 大翔Hiroto Ishii
    2002年青森県生まれ埼玉県育ち。風築家。かねてよりフリスビーを通じて風に親しむ。東北大学藤野高志研究室在学中に風に着目し、空気の流れやしめり気、音やにおいなど統合された複雑な情報としての空間認識から設計を行い、青葉賞(学内最優秀賞)受賞。同大学院進学後、イタリア/トリノ工科大学へ交換留学。ボラやシロッコなどの季節風が強く吹くアドリア海の調査を行う中で、ヨーロッパでの野性的な自然の楽しみ方に感銘を受け、山登りを始める。主な受賞に、HIROSAKI WALKABLE DESIGN COMPETITION 最優秀賞、赤れんが卒業設計展2024 100選、第51回日新工業建築設計競技 佳作がある。
  • Hee-Hee
    1994年 神奈川県生まれ。
    2016年 多摩美術大学プロダクトデザイン専攻卒業
    Artist / 写真家。幼少期の好奇心を想起させる行為として制作を行う。自然界の凡ゆる存在が遊び相手となり、幻想的な世界観の物語を表現する。自然のエネルギーや構造美を捉え、自然のプロセスから生まれる現象を「儚い構造物」として見つめている。写真はそうした現象に知覚が揺さぶられた瞬間の感知の記録と考える。 主な活動歴に、TABF(2021 オンライン)、二人展 Find silhouettes(2022 ユメノギャラリー吉祥寺)、Arteles Creative Center(2024 フィンランド/レジデンス参加)
  • 知念 大地 & 秦 景子Daichi Chinen & Keiko Hata

    知念 大地

    2004年池袋の路上で大道芸と出会い、この道を志す。以降、国内外の大道芸フェスティバルや路上で多数の芸を披露。2013年、深田晃司監督作品、『ほとりの朔子』にダンサー役で出演。2014年、田中泯演出・知念大地単独踊り公演「調査ー土編」(@plan-B)上演。2020年野澤和之監督作品、知念大地ドキュメンタリー映画『踊りたい大地の舞』@豊岡劇場にて上映、カメラマンは舞踏家・土方巽が街中で踊る様を記録した大内田圭弥監督作品映画『風の景色』でカメラを回した堀田泰寛。21年NHK土曜ドラマ「6畳間のピアノマン」パフォーマンス振付。23年-24年、定期裸体公演「LATAI」。誰もがの中にある〈存在〉を震わせる装置としての舞踊を試み続けている。大道芸人/踊手。芸能者。

    リンク:
    LATAI(裸体)ーoutside
    LATAI(裸体)ーinside
    「踊りたい大地の舞」予告編

    秦 景子

    広島県大竹市を拠点に絵画、アニメーション、舞台美術など幅広く創作活動を行う傍ら、舞台や路上等にも演者として出現。2022年雲ノ平山荘アーティスト・イン・レジデンスプログラムに参加。野外撮影の人形アニメーション「ムラック」を制作。今回は踊り手・知念大地と共に、自身の故郷の手漉き和紙の衣を纏った山の精霊の物語を制作する。